今年も、あの季節がやってきました。
「庭のブルーベリーが、たくさん実りましたよ」
毎年、手間を惜しまず育てられた木が、今年も変わらずに実をつけてくれました。

摘みたての実をひと粒、口に含むと──
甘酸っぱさが広がり、去年の夏、ひとつずつ摘んだ光景がよみがえります。
同じ庭で、同じ笑顔と共に季節を迎えられること。その変わらぬ喜びを、時の流れとして感じられるのも、訪問看護の醍醐味なのかもしれません。

年を重ねると、体の衰えにがっかりする瞬間は少なくありません。
けれど、ちょっとした特技があれば、それが日常を明るくしてくれることもあります。
このお宅では、いつしか「看護学生さんとの柔軟勝負」が恒例になり、ご家族も一緒に笑顔を見せてくださいました。

若い世代にとって、「来年も同じように迎えられるだろう」という感覚は自然なことかもしれません。
けれど、変わらずに庭のブルーベリーを味わえること。
体のしなやかさを変わらず披露できること。
それは、当たり前ではなく、かけがえのない日常です。

そんな小さな幸せが、今年も実っている──
その喜びが、あなたの心にもそっと届きますように。

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